腫瘍免疫の基礎知識腫瘍免疫の基礎知識

3.がん抗原

がん抗原

がん抗原は、免疫細胞が正常細胞とがん細胞を見分けるための目印になるものです。
免疫細胞は細胞の表面にある目印を探しながら体の中をパトロールしています。
正常細胞には反応せず、がん細胞にだけ反応する受容体を持っています。

 

がん抗原

免疫細胞(キラーT細胞)は、がん抗原をそのまま目印にしているわけではありません。
細胞の中でがん抗原タンパクがペプチドに分解されて、MHCクラスI分子に乗せられて細胞表面に出てきたところを検出します。
結果として、キラーT細胞は、がん細胞の中に隠れている「がん抗原」を見つけ出すことができます。

 

がん抗原は以下のような性質をもっています

❶がん・精巣抗原(Cancer-Testis antigens)
正常細胞には(精巣以外では)発現せず、がん細胞のみ発現するタンパク質
MAGE,XAGE,NY-ESO-1など
❷分化抗原(Differentiation antigens)
がんが発生してきた組織のみに発現するタンパク質
gp100,Melan/mart-1,Tyrosinase,PSA,PAPなど
❸遺伝子変異に基づくタンパク質(Mutated proteins)
p53,K-ras,N-ras,H-ras,BCR-ABLなど
❹過剰発現タンパク質(Overexpressed antigens)
正常細胞には少なく、がん細胞で多く含まれるタンパク質
HER2,MUC-1,PSMA,survivin,WT-1など
❺腫瘍胎児抗原(Oncofetal antigens)
胎生期の組織とがん細胞に発現するタンパク質
CEA,AFPなど
❻発がんウイルス由来のタンパク質(Viral proteins)
EBV,HBV,HCV,HPV,HERVなど