先進医療Bについて 患者紹介のお願い先進医療Bについて 患者紹介のお願い

先進医療Bについて 患者紹介のお願い

試験実施期間:平成24年7月1日~平成31年6月30日(登録期間締切:平成30年12月31日)
新規患者さんの受付は終了しました。

クリックいただくと、患者さん向けの試験説明資料をPDFとしてダウンロードすることができます。
⇒ 患者さん試験説明資料

担当(主治)医の先生へ

東京大学医学部附属病院呼吸器外科では、非小細胞肺癌の患者さんを対象として、患者さんの末梢血から培養したγδT細胞を静脈内投与する治療を自主臨床試験(先進医療B)として実施しています。

対象に該当する可能性のある患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。

この試験は非小細胞肺癌と診断され、下記①②のいずれかに該当する患者さんを対象としています。

  • ①手術適応外初発例の場合は、日本肺癌学会編(最新版)ガイドラインなどでされている標準治療(ファーストラインおよびセカンドラインの治療)に対して抵抗性(RECIST 基準でPDに相当)を示した患者
  • ②手術後再発例の場合は、再発に対する初回化学療法等(放射線治療、粒子線治療などを含む)に対して抵抗性(RECIST 基準でPDに相当)を示した患者

【確認項目①選択基準】

1)患者年齢:      
2)診断名:非小細胞肺癌? YES, NO
3)本臨床試験/先進医療の対象となる可能性がある?  YES,  NO (下記参考)

 

4)測定可能病変RECISTガイドラインv1.1に基づき抗腫瘍効果を評価できる患者  YES,  NO
5)半年以上の生存が見込まれる患者  YES,  NO
6)Performance status(PS)が0~1  YES,  NO
7)下記の検査データに関して、検査基準を満たしている患者  YES,  NO

【確認項目②除外基準】

1)重篤な薬物アレルギー既往のある患者  YES,  NO
2)HBs抗原、HCV抗体、HIV抗体、HTLV-1抗体のいずれかが陽性である患者 YES,  NO
3)コントロール困難な感染症(敗血症、肺炎等)を有する患者  YES,  NO
4)ステロイド剤の継続的な全身投与(内服又は静脈内)を受けている患者  YES,  NO
5)活動性の自己免疫疾患を有する患者  YES,  NO
6)妊娠中あるいは妊娠の可能性のある婦人、授乳中の婦人  YES,  NO
7)血漿のゲル化、大量のクリオグロブリン析出などが認められる患者  YES,  NO
8)HMG-CoA還元酵素阻害剤(メバロチン®、リポバズ®、ローコール®、リピトール®、リバロ®等)を服用している患者  YES,  NO
9)活動性の腸炎を有している患者  YES,  NO
10)重篤な心疾患を有する患者  YES,  NO
11)非小細胞肺癌以外の重複癌を有する患者  YES,  NO
12)前治療歴や脳転移の有無などを検討し、緩和医療の対象となる患者  YES,  NO
13)二ボルマブ投与歴のある患者で、二ボルマブ最終投与日からγδT細胞投与開始までに3ヶ月をあけることが困難な患者  YES,  NO

【ご連絡・お問合せ】(主治医の先生からご連絡をお願い致します)
東京大学医学部附属病院 呼吸器外科 γδT細胞治療 事務局
FAX:03-5805-3164 / TEL:03-5805-3161
メールアドレス:haigangdt-office@umin.org

  【肺がんγδ】お問合せシート
下線部をクリックいただくと、上記適格性基準の問い合わせチェックシートがご覧いただけます。
内容をご記載の上、FAXまたはメールにて送付のほど、お願い致します。
ご不明点などありましたら、上記ご連絡先までお願い致します。

肺癌診療ガイドライン2016年に従い、3次治療4次治療での患者さんへγδT細胞治療の提供を考えています。γδT細胞治療によって、治療の選択肢を一つ増やすことが可能になります。

分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場で、肺がんに対する治療の選択肢が増え、遺伝子異常やPD-L1の発現により治療法の選択がなされています。しかしながら、これらの治療に抵抗性を示す患者に対して、γδT細胞治療が肺がん治療に貢献できるかどうかを検討することを目的に本試験を実施しています。

ドライバー遺伝子変異陽性

ドライバー遺伝子変異陰性

PD-L1発現

PD-L1発現

Doc*:Docetaxel/Docetaxel +Ramcirumab

γδT細胞治療について

今回の治療で用いるγδT細胞は体の中の血液中のリンパ球の一種です。普段はリンパ液や血流に乗って全身を循環し、がんや感染症などからからだを守る役割を担っています。γδT細胞は、正常細胞とがん細胞を見分けるための受容体を持っており、がん細胞表面に存在するリガンドを感知してがん細胞を攻撃しますが、リガンドを持たない正常細胞を攻撃しない細胞として知られています。そこで、私たちは、がん細胞のみを感知して攻撃することが期待できるγδT細胞を大量に培養する技術を開発し、がんの治療に用いることにしました。

γδT細胞治療について

この臨床試験でおこなうγδT細胞治療では、患者さん自身の血液から成分採血で末梢血単核球(PBMC)を採取して分注して凍結保存します。採取したPBMCを順次解凍し、そこに含まれるγδT細胞を無菌培養室で2週間培養し、数を増やし活性化させてからもう一度患者さんの静脈内に投与(点滴)して、体に戻します。γδT細胞の投与は2週間毎に6回実施し、効果が確認された患者ではさらに治療を継続します。

γδT細胞を用いたがん免疫治療
γδT細胞を用いたがん免疫治療

γδT細胞の細胞傷害活性
γδT細胞の細胞傷害活性

がん細胞を攻撃するγδT細胞
がん細胞を攻撃するγδT細胞

我々が実施した第Ⅰ相臨床試験では、重篤な有害事象が発生した2例を除き、QOLを損ねることなく一定期間の治療効果を示唆するデータが得られました。肺がんの罹患者数は40歳を超えた辺りから増加し始め、高齢者になるほど高くなることが知られていることから、現在の高齢化社会において社会的活動の中心を担う40代から 60代の患者が、外来通院で治療ができ、QOLを損なうことなく治療を受けることができれば、患者や社会に対して大きな利益をもたらすと期待されます。

これまでの自己γδT細胞治療の成績

自己γδ細胞治療は、化学療法・放射線療法とは異なる作用機序により、抗腫瘍効果を期待できる新しい療法であり、有効な治療方法のない既存の化学療法に抵抗性の非小細胞肺癌患者に対する治療効果が期待できます。その安全性と有効性を評価し、自己γδT細胞治療の臨床応用を検討するため、当院において2006年より肺がんを対象として第Ⅰ相臨床試験UMIN試験ID:C000000336)を実施しました。
がん患者20名中15名の患者の末梢血から安定的にγδT細胞の増殖が可能であり治療を実施しました。その結果、15例が登録され、安全性と有効性の評価を行った結果、治療に関連する重篤な有害事象は認めませんでした。

 

副次的な評価の治療効果として6例でSD(安定)が得られ、無増悪生存期間中央値は126日(範囲:34-285日)、全生存期間中央値は589日(範囲:202-1505日)と、一定の有効性が示唆される結果を得ました。

免疫学的モニタリングにおいては、γδT細胞を投与した結果、患者の末梢血中のγδT細胞の割合の上昇(上段)、特にエフェクターメモリーγδT細胞の上昇(下段)が認められました。

治療早期に肺がんの退縮を認めた症例
症例 66歳、男性
左上葉原発性肺がん(LCNEC)、脳転移

前治療歴
①シスプラチン+エトポシド
②TS-1
脳転移に対する開頭手術、全脳照射

 

 

 

 

治療前CT(A)で認められた左肺門部のリンパ節と一塊となる原発巣や縦隔のリンパ節転移は、
1回目治療後のCTで著明に縮小している(B)。2回目治療後のCTではさらに腫瘍の縮小傾向が
認められた(C)。

参考文献

  • ・Nakajima J, Murakawa T, Fukami T, Goto S, Kaneko T, Yoshida Y, Takamoto S, Kakimi K. A phase I study of adoptive immunotherapy for recurrent non-small-cell lung cancer patients with autologous gammadelta T cells. Eur J Cardiothorac Surg. 2010 May;37(5):1191-7.
  • ・Sakamoto M, Nakajima J, Murakawa T, Fukami T, Yoshida Y, Murayama T, Takamoto S, Matsushita H, Kakimi K. Adoptive immunotherapy for advanced non-small cell lung cancer using zoledronate-expanded γδTcells: a phase I clinical study. J Immunother. 2011 Mar;34(2):202-11
  • ・Kakimi K, Matsushita H, Murakawa T, Nakajima J. γδ T cell therapy for the treatment of non-small cell lung cancer. Transl Lung Cancer Res. 2014 Feb;3(1):23-33.

肺がん以外の疾患に対する自己γδT細胞治療の成績

①胃がんによるがん性腹膜炎、悪性腹水に対する治療
既存治療に抵抗性を示した、腹水貯留を伴う胃癌患者7名を対象に、γδT細胞を腹腔内に投与しその安全性と有効性を検討しました (UMIN000004130)。γδT細胞は、腹腔内に週1回投与し、その前日にがん細胞のγδT細胞に対する感受性を高めるためにゾレドロン酸を腹腔内または静脈内に投与しました。γδT細胞の投与4回を1コースとして行い、1コースを完遂できた患者が7名中3名であった。採取した腹水において細胞分画の免疫染色を行ったところ、γδT細胞が、がん細胞(EpCAM+細胞)に接着して攻撃している様子が観察されました。

γδT細胞 がん細胞
著効例では、治療前に貯留していた血性腹水が治療後に漿液性となり、やがて消失しました。

治療前、治療後
7例中2例で著明な腹水の減少を認めました。この試験における重篤な有害事象はありませんでした。
治療前、治療後

参考文献

  • ・Wada I, Matsushita H, Noji S, Mori K, Yamashita H, Nomura S, Shimizu N, Seto Y, Kakimi K. Intraperitoneal injection of in vitro expanded Vγ9Vδ2 T cells together with zoledronate for the treatment of malignant ascites due to gastric cancer. Cancer Med. 2014 Apr;3(2):362-75.

②がんに対する自己γδT細胞治療通常型膵癌(以下膵癌)に対する唯一の根治治療は外科切除であるが、これまでの種々の臨床試験の結果から、外科切除のみで予後の向上を目指すには限界があることが示されています。そのため、現在は化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療による治療成績の方策が模索されています。2000年前後から膵癌切除全例を対象にGEMを用いた術後補助化学療法を行ってきましたが、それに加えて、自己活性化γδTリンパ球を用いた術後補助免疫療法を検討しました。

GEM γδT細胞
A)GEM+γδT細胞 28例
B)GEM単独 20例

結果
無増悪生存率(PFS)、全生存率(OS)において、A群、B群に統計学的な有意差は認められませんでした。しかしながら、γδT細胞の投与を受けた患者のうち、5回の投与を受けたのち、末梢血中のγδT細胞が20%以上に蓄積する患者6例と、20%に満たなかった患者19例を比較すると、PFS,OSともにγδT細胞が蓄積した患者でGEM単独以上の成績を認めました。

After 5th injection
末梢血中にγδT細胞が蓄積した患者は、投与細胞中のγδT細胞比率が80%でした。治療効果には、安全で質の高い細胞を提供することが重要であることが明らかでした。

Average percentage of γδT cells
肺がん治療においても、γδT細胞の比率(>70%)、細胞数(>1×10の9乗個)、増殖率(>100×)を確認して、質の高い細胞を提供しています。

参考文献

  • ・Aoki T, Matsushita H, Hoshikawa M, Hasegawa K, Kokudo N, Kakimi K. Adjuvant combination therapy with gemcitabine and autologous γδ T-cell transfer in patients with curatively resected pancreatic cancer. Cytotherapy. 2017 Apr;19(4):473-485.

標準治療抵抗性の非小細胞肺がんに対するゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫細胞治療

■試験実施期間
平成24年7月1日〜平成31年6月30日
(登録期間締切:平成30年12月31日)

目標症例数 85例
・研究代表者・試験責任医師
東京大学医学部附属病院 呼吸器外科 教授 中島淳
・主な試験分担医師
医療安全管理学 特任准教授 安樂 真樹
呼吸器外科  講師      佐藤 雅昭
呼吸器外科  助教      似鳥 純一
呼吸器外科  助教      長山 和弘
呼吸器外科  助教      北野 健太郎
免疫細胞治療学講座 特任教授 垣見 和宏
免疫細胞治療学講座 特任講師 松下 博和

・本研究により、本治療法の有効性と安全性が確認できれば、標準治療抵抗性の再発・進行肺がん患者に対して、生存期間を延長できる新たな治療法になると期待しています。

・本治療は、臨床試験として行うため、受けていただける患者さんには厳格な適格基準がありますので、すべての患者さんに受けていただけるわけではございません。

■UMIN試験登録 ID:UMIN000006128
http://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000007250&language=J

本治療に関して、当科へのご質問、外来受診につきましては、
連絡先:東京大学医学部附属病院 呼吸器外科 γδT細胞治療 事務局
(必ず主治医の先生からご連絡をお願いいたします)
FAX:03-5805-3164
TEL:03-5805-3161
メールアドレス:haigangdt-office@umin.org