免疫細胞治療学講座で実施した治療:γδT細胞治療免疫細胞治療学講座で実施した治療:γδT細胞治療

1.γδT細胞とは

発生

ヒトの末梢血中に含まれるTリンパ球のほとんどがαβ鎖のT細胞受容体 (TCR)を発現しているαβT細胞ですが、γδ鎖のTCRを発現するγδT細胞が数%存在しています。

γδT細胞も、末梢血やリンパ組織中で認めるαβT細胞(CD4+T細胞やCD8+T細胞)と同様に、骨髄由来の前駆細胞から、胸腺内でTCR遺伝子の再配列を受けて形成されます。γδT細胞は、胸腺内でダブルネガティブ(DN)と呼ばれる段階で、αβT細胞が発生するより先に、TCR遺伝子の再配列を受けます。

γδT細胞 発生

役割

γδT細胞は、リンパ球ストレス(細胞傷害)監視機構(lymphoid stress-surveillance)と呼ばれる生体防御反応を担う中心的な細胞で、細胞に傷害をきたす様々なストレスを感知し、迅速に生体防御反応を誘導することが知られています。細菌感染やウイルス感染などの外からのストレスに加えて、がん化に伴う細胞の変化に対しても敏感に感知することが可能です。さらに、γδT細胞はVδ1(末梢組織型) γδT細胞と、Vδ2(末梢血型) γδT細胞に分けられ、皮膚や腸管のバリアーとして、また全身をくまなく監視する役割を担っています。

γδT細胞 役割

ストレス暴露により細胞に誘導される多様な分子を迅速に認識する必要があるため、γδT細胞は多彩な受容体を発現しています。

受容体 由来 抗原
TCR 内因性 リン酸化抗原
(phosphoantigen)/IPP, ApppI
外因性(微生物) リン酸化抗原
(phosphoantigen)/ HMBPP
サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス
NKG2D 内因性 MICA/B
TLR 外因性 TLRリガンド
抑制性受容体 内因性 MHCクラスI分子、UPA

多様な抗原認識に伴い、IFN-γ,IL-17, IL-5, IL-13, IL-10, IL-4, LTβ4などの多彩なサイトカインや、RANTES, Lymphotactinなどのケモカインの産生、上皮成長因子受容体の産生、グランザイム、パーフォリン、TRAILなどを産生し細胞傷害活性を発揮するなど多様な反応を示します。とりわけ、強い細胞傷害活性とIFN-γやTNF-αなどのサイトカイン産生が、がん細胞に対する抗腫瘍効果に深く関与しています。

RECONGNITION

末梢血中に存在するγδT細胞は、Vγ9Vδ2遺伝子で構成されるTCRを発現しており、コレステロール代謝におけるメバロン酸経路の中間代謝物であるisopentenyl pyrophosphate (IPP)を認識することが知られています。