免疫細胞治療学講座で実施している治療:樹状細胞(DC)治療免疫細胞治療学講座で実施している治療:樹状細胞(DC)治療

1.樹状細胞 Dendritic Cell(DC)とは

DCとT細胞
DCとT細胞:ウニのような突起を出した大きな細胞の上に3つの丸い小さなリンパ球が付着しているているところを走査電子顕微鏡で撮影

DCは、生体内で免疫応答を制御する重要な働きを担う細胞です。名前からわかるように、特有な細胞突起を有し、「樹状」の細胞形態を呈しており、リンパ組織のみならず広く全身に分布しています。

DCは、抗原を取り込んでリンパ節へ移動し、T細胞へ抗原の情報を伝達するだけでなく、その後の免疫反応の強さや方向性を決定する重要な役割を担っています。

 

抗原提示

樹状細胞には、単球やマクロファージなどのような旺盛な貪食作用を認めませんが、細胞外の物質を細胞膜で取り囲むようにして細胞内へ取り込む(エンドサイトーシス)能力があり、取り込んだ物質を細胞内で分解し処理する能力に優れています。

DC概要

抗原提示経路

さらに、MHCクラスIやクラスII分子を発現し、それを介してのT細胞への強力な抗原提示能を有しています。細胞内で産生されたタンパク質(内因性抗原)は、細胞質内でユビキチン化された後にプロテアソームにより分解され、TAPというトランスポーターを介して小胞体内へと輸送され、適切なアミノ酸数からなるペプチドにトリミングされてMHCクラスI分子に結合します。MHCクラスIと結合したペプチド複合体は、細胞表面でCD8陽性T細胞に抗原提示されます。一方、エンドサイトーシスによって取り込まれた細胞外に存在するタンパク質(外因性抗原)は、エンドゾーム内で分解され、MHCクラスII分子に結合します。MHCクラスII/ペプチド複合体は、細胞表面でCD4陽性T細胞に抗原提示される。

クロスプレゼンテーション

細胞外から取り込んだ抗原(外因性抗原)を抗原提示分子であるMHCクラスⅠ分子に提示する機能は、クロスプレゼンテーションと呼ばれ、DCの最も優れた特徴であり、抗腫瘍免疫においても中心的な役割を担っています。

樹状細胞とT細胞のコミュニケーション

共焦点レーザー顕微鏡イメージ
樹状細胞(緑)とT細胞(赤)のコミュニケーション

緑色に染色されたDCがT細胞(赤色)を樹状突起で包み込むように接触しています。特に、DCとT細胞間で、受容体とリガンドの結合を介してコミュニケーションを行なっている場所は、両者の細胞膜が密接に結合するため、オレンジ色に染まっています。